京都五条/川床(京都市)
二十歳の頃だったと思う。新聞の広告で「座頭市物語」を見た。異色の
時代劇でおもしろかった。それからシリーズ化され、ほとんどの作品を
みた。座頭市にはまったわけだ。座頭市の物まねを練習して宴会でうけ
たりもした。初夏の京都は蒸し暑い。川床を描こうと三条から四条、五
条へと鴨川沿いを歩いて来た。歩きながら座頭市の歌を口ずさんだ。「お
よしなさいよ〜無駄〜なこと…」歌の最後のセリフ「あ、あああ、いや
な渡世だな」と天を仰いで白目をむいていると「変なおっさんが歩いと
るで」の声にハッと我に帰った。 |