小学三年生の頃だから昭和25年かな。母の買い物に付いて行き、永和
商店街の本屋さんで当時人気の少年向け月刊誌「おもしろブック」を
買ってもらいました。そこに野球漫画「ポストくん」がカラーで連載
されていました。馬場のぼるのデビュー作でした。やさしいほのぼの
としたタッチと軽妙なコマ運びに魅せられ毎号発行日が待ち遠しく、
発行日が近付くと本屋さんの店先をうろうろしたものです。
時は流れ、昭和63年、大阪・心斎橋の「丸善」で催された漫画家の絵
本の会展で、憧れの馬場のぼるさんに出会いました。「11ぴきのねこ
マラソン大会」の絵巻絵本にサインをしてもらう時「子供の頃、ポス
トくんを読んで以来ずっと先生のファンです。」と話しかけると「ほ
うー」と言って顔を上げ、やさしい目で私を見つめました。